築地市場の豊洲移転問題で大揺れに揺れている東京都と東京都議会。
小池都知事がこれまでに調査した内容で明らかになったことは何もありませんでした。誰が決めて誰が責任者なのかもわからず、官僚は責任を逃れるために貝の口なのかもしれません。それに業を煮やしたのか、小池都知事はついに
「歴代の市場長については、退職者も含めまして責任の所在を明確にしていく。退職者も含めて懲戒処分などのしかるべき対応を取っていく」
と、事実究明のための強い決意を示しました。
石原元都知事の誤算
豊洲問題では、元東京都知事だった石原慎太郎氏が大きく関わっていると目されていますが、事の顛末については詳細にされていません。また、石原氏は当初
「私も騙されていた」「この問題についての協力は惜しまない」
と言っていたはずですが、突然
都のヒアリングは拒否
すると言う意向を表明しました。
石原氏にしてみれば、探られたくもない腹の中を掻き回されるくらいならば、早めに事を収めるために小池都知事にある程度の情報を提供して幕引きを図りたかったのでしょうが、事態は予想以上に大きくなってしまったことに加え、小池都知事が過去の責任者に対しても懲戒まで持ち出して責任追及する姿勢で臨んでいると言うことが大きな誤算だったのかもしれません。
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宣戦布告ならぬ講和交渉?
このタイミングで石原氏がヒアリング拒否をしたと言うのは、今後の話し合いへ向けての布石ではないか?と思います。
叩けば埃の出る身であるから、早々に手打ちをしたいと思って協力を申し出ていたものの、その話し合いがかみ合わないのでしょう。ここは一旦拒否して何等かの譲歩を小池都知事側から引き出し、身の安全も図ると言う目論見なのかもしれません。
自身のホームページでは「宣戦布告」などと言う強気なタイトルになっていますが、今回も見かけ上は
「小池都知事への宣戦布告」
と言う石原氏のキャラクターらしい強気さを表しています。そして、豊洲問題に関わるキーマンたちがそれに同調し、ますます真相究明への道が困難になる狼煙なのかもしれません。
豊洲問題はこれからも何が出てくるかわからないパンドラの箱のようなもの。都や都議会、民間などの関係が白日の下にさらされることが望ましいことですが、果たしてことはそう上手く運ぶとは思えませんね。
小池都知事の本気度
ここまで強気で進めてきた以上、ある程度は後に引けない状況の小池都知事。それ故の責任追及意思表明だろうと思いますが、このことで当の関係者は間違いなく
今まで以上に保身に走り真相究明を妨害する
ことが想像されます。
真相を追及するにも時間が必要です。あらゆる手立てで小池都知事を貶める策が練られていると考えなくてはならないでしょう。何しろ、豊洲市場は既に作られていて、移転するのみの状態だったのですから。仕上げの段階で卓袱台返しが起きた格好です。お金も使ってるし、今後の豊洲はどうするんだと言う議論もあります。
そんな諸々の問題を小池都知事に突き付け、振り上げた拳を適当なところで下させると言うのが今回のヒアリング拒否の真相ではないか?と穿った見方をしてしまいました。
そんな問題に果敢に立ち向かい、石原氏を含めた関係者が明るみに出て真実が明らかになるのか。また、そうできるのか?が、小池都知事の本気度をはかる指標になるでしょう。
まだまだ問題が噴出しそうな豊洲移転問題。今後も注視していきたいと思います。