無痛~診える眼~も最終回になってしまいました。
途中の感想をすっ飛ばして、いきなり最終回ですがご容赦ください。
最終回の感想
このドラマは、どちらかと言えば「医療ドラマ」って思って見ていました。
無痛症のイバラと、そのイバラを使って無痛治療の研究を行う白神医師。そして、人の病状を見る能力を持った為頼医師。
この3人がキーパーソンだった訳ですが、刑事の早瀬を中心としたストーリー展開で「刑事ドラマ?」と言う意見もチラホラと聞かれました。
ドラマの言いたかったことは、最終回で為頼医師の言った
「痛みは私だ」
と言う言葉に凝縮されているような気がしましたが、率直に言えば終わり方が気に入らなかったなぁ・・・と言うのが本音です。
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利用されたイバラ
最終回は、9話で早瀬に拳銃で撃たれてしまったイバラが川に落ちて行方不明になっているところから始まります。
「イバラは許せない!」
と言う早瀬ですが、イバラは白神の開発した薬の影響で石川一家を殺した記憶がなくなっている。
自分が殺人と言う罪を犯したことに打ちひしがれて、逃走していたイバラが大声をあげているシーンには切なさを感じました。
イバラは無痛治療の研究のためだけでなく、白神の石川一家に対する憎悪の念に対する復讐にも利用されていた訳ですから・・・。
イバラと一緒に逃走していたサトミは、早瀬刑事に石川一家殺人事件の日のことを自ら話すことになります。
そして
「イバラさんは悲しい人。でも、優しい人です」
と証言し、イバラが死んだと思って
「どうしてイバラさんを殺さなくちゃならないんですか!!」
と早瀬に詰め寄ります。このシーンでは早瀬自身も打ちひしがれる結果になりました。
これも考えさせられたシーンの一つです。
ドラマでは刑法38条について何度となく触れられていますが、
「罪を犯したから罰する」
と言う単純な考えでいいのだろうか?と言う気分に私自身もなりました。どちらかと言えば早瀬寄りの考えなんですけどね。
石川一家殺人事件の真実
この事件は、白神がイバラに薬を使って実行させた事件でした。
白神の弟は石川先生の奥さんの元恋人だったのです。
白神の弟は失恋を苦に自殺(山で遭難)し、その心臓を白神が自分に移植したのです。
自分の弟を死に追いやった石川が幸せになっていることが許せないとして、弟の復讐にイバラを使って殺害させたのが真相でした。
そして、白神が無痛治療にこだわっていた理由も、脳死状態だった弟から心臓を移植した自分が弟を殺してしまったという白神自身の痛み(これは心の痛みと解釈しましたが)から逃れたいとの思いから・・・と言う為頼の言葉に納得でした。
イバラと白神
逃走していたイバラは白神のところへ現れます。
「この病院は素晴らしい病院です。白神先生も素晴らしい先生です」
と、白神に言っていたのは本心だったのでしょうか?自分に殺人までさせた白神に近づくための方便でしょうか?
多分本心だったのではないか?と思いますが、白神はイバラに
「イバラは私の憧れだった」
と呟きます。これが心の痛みから逃れたいと言う白神の本心を吐露したシーンだったのでしょうね。
白神に突き飛ばされたイバラに犯因症が現れるも、イバラは為頼に
「為頼先生、ありがとうございました」
とお礼を述べて白神に飛びかかって二人とも窓の外へ・・・。
この時、抵抗しなかった白神はそうなることを受け入れたのでしょう。
納得出来ない終わり方
見終わってみてですが、正直納得行きません。
ストーリーとしては悪くなかったと思いますが、イマイチ「何を一番訴えたかったのか?」が伝わってこなかった気がします。
結局、白神とイバラは死んでしまいました。
- 肉体的な痛みを知らないが、心の痛みを知るイバラ
- 全ての痛みを取り除きたい白神
- 痛みが人間である必然と言う為頼
- 犯因症であることを知って心の痛みを抱える早瀬
と言う4人それぞれの痛みの意味が、ドラマで描きたかったことだったのかなぁ・・・と思いますが。
為頼と早瀬の別れのシーンもスッキリしない感じに追い打ちをかけてました。
画としては良かったと思いますが、自分自身に向き合って生きていく早瀬と為頼を描いたとしたら・・・モヤモヤ感が残りました。
とは言え、今までにない感じの医療ドラマとして見れば
「そこそこ面白かった」
と思います。犯因症と言う言葉まで作ったんですから。
あと、最後ですけど石橋杏奈さんも頑張ってましたね。最初の影のある感じから明るくなって行くところなんて良かったですよ。
最終回で襲われるシーンも見ごたえがありました。
視聴率はパットしなかったと思いますが、このクールでは良い部類のドラマだったのかな?と言う感想でした。
みなさま、お疲れさまでした。