なんだかんだと尾を引いている東京オリンピックのエンブレム問題ですが、ここに来てようやく決着しそうな気配です。
組織委員会は佐野氏の五輪エンブレムを使用中止にする方針を固めたと言うことです。
東京五輪エンブレムの使用中止
従来の方針では
「佐野氏デザインの五輪エンブレムは商標上の問題もない」
と言うことで、このまま使い続けると言いますか「正式な五輪エンブレム」として決定していると言う立場を崩していませんでした。
しかし、後から後から噴出する盗作疑惑や、少なくとも五輪エンブレムの疑惑を払拭しようと原案のデザインまで公表したものの、それでさえも盗作や模倣が疑われる事態となって、全てが裏目になってしまいました。
最新の疑惑では、横手市のポスターデザインを盗用したと言う話まで出ていますので、この件はこのままでは一向に終息する気配を見せていません。
元ネタのポスター
佐野氏のデザイン
しかし、これって確かに団扇を扇子に変えただけですよね?
デザイナーのオリジナリティーはどうなった?って気がしますけど、デザインってそんなもんなんですか?
佐野氏選出に疑惑も
こんな状況でありながら、公募で選ばれたデザインだからと言ってもあまりにも佐野氏擁護の立場が鮮明だった組織委員会。
そうなれば「何か裏があるな?」と勘繰りたくなるのも仕方ありませんが、審査員は佐野氏のお知り合いの方々ばかりと言うこともあってか
「出来レースだった」
と早くから言われていましたが、いよいよ組織委員会も佐野氏を擁護しきれない状況まで追い込まれたのでしょうね。
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佐野氏のダメージ大きく
私たちから見れば、この方針は当然の選択や決定であると思いますし、早くから選び直すなどの対応が取られるべきと思っていました。
何しろ、何度も書いていますが今回の東京五輪では新国立問題に端を発してのゴタゴタが多すぎます。
世の中の方も
「いい加減にしろ!」
と思っているに違いありませんし、最初からこれなのでイメージが悪すぎます。
この決定で佐野氏のダメージは相当なものでしょうね。
だからこの記事で言ったように自分で取り下げておけばよかったんですよ。
使用中止と言う決定は組織委員会が
「やっぱりこのデザインは盗作の疑惑が拭えないし、使うのはまずいから止めます」
と言った訳です。佐野氏の盗作は黒ではないけど限りなく黒に近いグレーと言う判断でしょう。あれだけ強気だったのにです。
デザイナーとしての今後が心配されますが、これだけあれこれ疑惑が出てくれば仕方ないことでしょうね。
もちろん、佐野氏のみならずデザインを審査し決定した後での調査が甘かった組織委員会にも責任があると思うのですが、その点はどうなんでしょう?
追記:
この中止は佐野氏自身からの申し出によるものだそうです。
また、組織委員会はエンブレムの模倣等を判断する立場にないとも言っています。
しかし、この騒動に関しての責任は問われるべきと個人的には思います。
とは言え、この問題は少なくともこのあたりで一応の幕引きが行われようとしているようです。
最初に突っ張っちゃっただけに、後にダメージだけが残る形になってしまいましたね。
組織委員会には、次は失敗のないようにエンブレムのデザインを決めて欲しいものです。