医師や看護師が乗り込んだヘリコプター「ドクターヘリ」。
その運用が富山県でも2015年8月下旬から開始されることになりました。
ドクターヘリ
ドクターへりとは、
医療機器や医薬品を搭載し、医師・看護師が同乗するヘリコプターで、基地病院に常駐し、要請に応じて迅速に救急現場等に向かい、救急医療を行うことができます。
病院から遠い地域からの搬送時間が短縮できるだけでなく、医療スタッフが重篤な救急患者に対してより早期に接触して必要な診断や処置を行うことができ、救命率の向上や後遺症の軽減が期待できます。
とされています。
ドクターヘリを題材にしたテレビドラマもありましたね。
フジテレビの「コードブルー -ドクターヘリ緊急救命-」で存在を知ったと言う方も多いのではないかと思います。
基地は富山県立中央病院
富山県は山岳県として知られています。
山岳遭難などにおいては富山県警ヘリや防災ヘリなどを運用することにより対応がなされてきましたが、今回ドクターヘリが導入されることになれば山岳以外のいわゆる「生活圏」における救急救命に大きな効果をもたらすことができるようになります。
そして、ドクターヘリの基地として機能するのが富山県の中心に位置する「富山県立中央病院」です。
富山県の大きな病院には山岳県と言う特徴からヘリポート(またはヘリが離着陸できる屋上スペース)が確保されていますが、所在地や管轄と言った面からも中央病院が基地となるのは合理的なのだろうと思います。
画像出展:富山県ドクターヘリHP
富山県は地形的にもほぼ東西南北対称な形状となっています。従って、ドクターヘリの到達範囲や時間は基地から10分程度で全県をカバーすることが出来るそうです。
Sponsored Link
AW109SPを採用
ドクターヘリを運用する機体はアグスタウェストランド社のAW109SPが採用されました。
選定理由としては
- 速度性能や高所性能に優れている
- フライトスタッフの養成にも十分対応できる
- EMS、警察、VIP、輸送、報道といった幅広い用途に於いて多くの実績がある
などが挙げられます。そして、運航を行うのは
静岡エアコミュータ(株)・鹿児島国際航空(株)共同事業体
となりました。
2015年8月下旬より運用開始
富山県のドクターヘリは、2015年8月下旬の運用開始に向けて訓練も行われているようです。
地域からドクターヘリへの患者引継ぎは「ランデブーポイント」と呼ばれる中継場所で行われますが、その場所選定や引き渡し手順など、細かな内容について消防などと連携が図られているとのこと。
また、気になる山岳救助の場合などへの対応や県警ヘリ・防災ヘリとの連携や役割分担なども行われているのでしょうね。ドクターヘリが直接山岳地帯に行くことは考えにくいですが、大量遭難などの場合には何らかの連携が行われる可能性もあるでしょう。
いずれにしても、365日の運用体制となり関係者やスタッフの方々は大変な任務になると思いますが、地域住民の救命医療水準の向上のために頑張っていただきたいと思う次第です。