4月14日の広島空港アシアナ航空162便における着陸失敗事故はパイロットの操縦ミスである可能性が濃厚となってきました。
手動操作で高度下げた
徐々に事故の概要が報道されてきていますが、その中で
「パイロットが手動で高度を下げた」
と言われています。
ただ、通常着陸と言うのは手動で行うものですから驚かないのですが、広島空港の場合はとても精密な計器着陸装置(ILS)が装備されていますので、計器に従って着陸していれば何の問題もなかったと思うのですが、どうしてこうなってしまったのでしょうか?
ILSは滑走路への道
視界が悪い場合でも安全に着陸できることはもちろん、通常の着陸においても広く利用されているのがILS(計器着陸装置)です。
滑走路中心と滑走路までの降下角を電波で示し空中に道を作るイメージです。
画像は実際のものではありませんが、イメージとしてはこのような感じで計器の指示に従って操縦していれば確実に安全な角度で着陸出来るはずなのです。事故当時は、視界も良く風も弱かったそうですが低層に霧がかかっていたとの話もあり、アプローチ中は滑走路が見えていなかったのでしょうね。
事故の推測
パイロットは着陸進入をしながらも、なかなか滑走路が見えてこないことに不安を覚えたのかILSの指示よりも早く高度を下げて「道」から外れてしまったのではないか?と思われます。
その後、滑走路が視認出来たものの高度が下がりすぎたことに気付き、あわてて機首上げをしたものの間に合わず滑走路手前のアンテナに接触した後に機体後部が滑走路に接触して急減速した後に車輪が接地。その衝撃で車輪が折れたために直進せずに滑走路上を移動しながら最後は回転して止まった・・・と言うのが考えられる事故の内容でしょうか。
追記
広島空港の東側からのアプローチではILSを使用できないとのことでした。ですので、完全に目視でのアプローチになっていたということですね。でも、東側から進入する場合においても通常は東広島上空で180度旋回して西側(RW10)に向けて着陸するルートが優先されるとのことなので、なぜストレートに東側から進入したのか疑問ですね。管制の指示でしょうけど?
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パイロットスキルに問題
アシアナ航空の事故には着陸に絡むものが多い印象があります。その殆どがパイロットの操縦ミスです。
記憶に新しい事故としては2014年のアメリカで起きたサンフランシスコでのアシアナ214便事故ですが、この時も高度が下がりすぎて滑走路端に機体が接触しています。
アシアナ航空のパイロットには、操縦するスキルに大きな疑問があります。着陸は最も緊張する時間でもあり、事故の起こる確率が最も高い時間として知られています。どの様な状況下にあっても冷静な判断による操縦が求められるパイロットにおいて、今回のような行動はとても不可解としか言いようがありません。
計器を信用できない
訓練でよく言われるのは
「計器を信用しろ」
と言うことです。これは何を言っているのかと言えば
「視界不良などで飛ばなければならない状況下では自分より計器を信用しろ」
と言うことです。それが出来れば安全に飛行することが可能なのですが、もしかしたら今回のパイロットは計器を信用できなくて自分で操作してしまったのでは?と言うことも考えられますね。
以上のようなことから、事故原因は
パイロットによる操縦ミス
である可能性が高いと思います。
広島空港はしばらく使えないと思われますが、素早い復旧と事故原因究明を願う次第です。