大塚家具のお家騒動が大きく報道されています。
世間からは「みっともない!」などとする親娘骨肉の争いに批判が大勢ですが・・・。
原因はおやじの卓袱台返し
そもそも事の発端は何でしょう?
報道されている内容を見ると
「2014年7月におやじさんが娘を解任したこと」
がそもそもの原因。
その当時の解任理由としては
「2009年から社長に就任した娘(久美子氏)の改革に効果が見られない」
と言うものでした。その改革と言うのもおやじさんの築いたビジネスモデルを覆すものばかりで、さぞかし苦々しく思っていたに違いないでしょう。
おやじ返り咲くも
2014年7月から社長に返り咲いたおやじさんでしたが、業績は復帰することなく悪化の一途。
久美子氏の策定した「中期経営計画」の業績を見ると14年上期の業績は前年から見て明らかに悪くなっています。
この状況を憂いた久美子氏が今度はおやじさんを追い落とし、再び「おやじ流」から決別する経営方針を発表したことで争いが激化したのです。
おやじ流は古い
今年1月に再び社長に就任した久美子氏は「東洋経済オンライン」のインタビュー記事にこう答えています。
過去の成功の方程式は、新しい場所に店舗を出して、売上高を伸ばしていくということだ。広告宣伝費を先行してかけても、必ず回収できるという前提。だが、それは人口が増えて売上高が上がり続ける、一定の条件の下での成功パターンに過ぎない。
当社はすでに、全国展開が終わり、知名度も上がった。それでも広告宣伝をかければいいというのが、普遍的な心理として染みついていることが問題だ。成熟を迎えつつある会社が、成長期にあるような売上高で回収することは、難しい。コストだけ出ていくことになる。近く出る決算発表を見れば、追加的に折り込みチラシや新聞広告など広告宣伝費をかけている一方、それが回収されていないことがわかると思う。
今は新しいマーケットを作れるかどうかだ。そうなると、自然とアプローチの仕方が変わるはず。それができないなら、保守的にコストを抑えていかなければならない。
(東洋経済オンライン記事より引用)
とても的を射た分析ではないか?と思いますし、業績推移もそれを表していると言えるでしょう。
この記事でも「娘・久美子社長との”肉親同士の争い”に決着」としたサブタイトルが付けられており、これで終止符が打たれると思われたのでしょうが「おやじが卓袱台返しをした」と言うのが私の見解です。
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経営戦略は納得性がある
大塚家具の「中期経営戦略」には十分納得できるものがあると思います。
「おやじさんのビジネスモデル」が時代に合わなくなっていることから、現代にマッチした市場戦略を取り入れた内容に好感したのか、投資家も反応して大塚家具の株価がここ数日値上がりしていると言う動きもあります。
できれば大塚家具のHPで中期計画の全容を確認してもらいたいと思いますが、経営戦略には既存のブランドをないがしろにするようなイメージはありません。
一部データでおやじ批判の根拠となるものもありますが、社長解任となれば十分説得に値する裏づけが必要ですからそれは致し方ないでしょう。
親子の前に経営者である以上、経営責任を追及されるのは必然ですし、その裁定が解任だった訳ですから従うべきと考えますけどね。
老兵は死なず・・・
今のままでは大塚家具と言うブランドが壊れてしまい、企業として元も子もない状態に追いやられてしまうでしょう。
おやじさんの業績は十分過ぎる程評価できるものですが、いつまでも自身が表に出るのはどうかと思いますし
「老兵は死なず只消え去るのみ」
と言うことで、今後はじっくりと娘の手腕を見届ける人生を送るのはいかがでしょう?
久美子氏も「おやじ憎さ」で経営している訳ではないと思いますし、逆にそれで「大塚家具」が躍進するのであれば万々歳ではないですか?
何事も引き際が大事です。
おやじさん、いい加減にしたらどうですか?